ユーカリの毒性とは?
ユーカリに含まれる成分は青酸(シアン化水素、HCN)です。
人間が青酸を摂取してしまった場合に起こる症状は、細胞の呼吸を妨げ(血中のヘモグロビンと結合し酸素を運べなくする)細胞の活動が停止してしまいます。
摂取後数分以内には症状が現れ、頭痛やめまい、嘔吐などは軽症の部類で、重症になると呼吸停止や心停止が起こります。
身近な食べ物の中で青酸が含まれているものは、青梅です。
青梅以外に青酸が含まれる食べ物は、キャッサバ(タピオカの原料)、サクランボの種や桃の種、リンゴやあんずの種にも含まれています。
とはいえ、通常販売されている食品であったり、可食部分を食べても影響はありませんのでご安心ください。
コアラがユーカリの毒性に影響されない理由は?
毒素が含まれるユーカリの葉。
なぜ、コアラは食べ、消化できるのか?
それは、盲腸の中にバクテリアがいるためです。
コアラの体内構造は盲腸が非常に長く2メートルほどに及び、哺乳類最長と言われています。
胃や腸で消化できなかったユーカリの葉が盲腸へと送られ、長い時間をかけてゆっくりと解毒されます。
どうやってバクテリアを得るのか?
生まれたばかりの赤ちゃんコアラの腸にはバクテリアはいません。
では、どうやってバクテリアを得るのか?
それは、お母さんの排泄物(パップ)を離乳食とし、自分の盲腸にもバクテリアを定着させるのです。
お母さんのお腹の袋の中でおっぱいを飲みスクスクと成長した赤ちゃんは、生後22~30週頃からパップを食べ始め、その後ユーカリの葉を食べられるようになります。
メスのコアラはそうして、子へと孫へとユーカリを消化出来るよう、バクテリアを渡してゆくのです。
まとめ
毒が含まれるユーカリの葉を消化し、エネルギーへと変えてしまうコアラの生命力はすごいです。
その見た目の可愛さについつい騙されてしまいますが、実は、野生動物のパワーを隠し持っているコアラ。
もっともっとコアラのことが知りたくなりますね。