コアラの常食とされているユーカリの葉。
コアラはなぜ毒のあるユーカリの葉をわざわざ好んで食べるのか。
また、ユーカリの葉以外は食べないのかを調べました。
コアラはなぜユーカリの葉を好んで食べるのか
毒性のあるユーカリの葉をコアラは常食としています。
その葉の毒性を分解できるのは、コアラが誕生した時からではありません。
長い歳月を経て、盲腸が2メートルほどにまで伸び、日々進化を積み重ねて葉の毒を分解できる、今私たちが目にしているコアラになったのです。
では、なぜ進化してまでわざわざ毒性のあるユーカリの葉を好んで食べるようになったのでしょうか。
コアラは動きが非常に鈍く、ほかに生息している動物たちと同じものを食べてしまうと、外敵に襲われてしまいます。
襲われてしまうと、動きも鈍く、弱いので生き延びることができません。
そのため他の動物が食べないユーカリの葉を常食として確保するため、毒性を分解できる体へと進化していったのです。
しかし、生まれたばかりのコアラの赤ちゃんは、毒を分解するためのバクテリアなどは持っていません。
そのバクテリアなどを体に取り込むために「パップ」という、母親コアラがユーカリの葉を食べ、体内で分解した柔らかいペースト状の食べ物を赤ちゃんコアラに与えるのです。
この「パップ」を定期的に与えることで、赤ちゃんコアラが成長し、ユーカリの葉の毒を体内で分解できるようになっていくのです。
ユーカリの葉以外は食べないのか
ユーカリの種類は600種以上、地球に存在しています。
その中でコアラが食べるユーカリは数十種類。
また1頭あたりが生涯のうちに食べるのは数種類と言われ、なかでも若い新芽しか食べないので、かなりの偏食家だということがわかります。
では、コアラはユーカリの葉しか食べないのか、というとそうではありません。
アカシアの葉やティーツリーの葉を食べることもあるのです。
しかし、どれもほかの動物があまり食べないものを食糧とし、コアラは生き延びています。
まとめ
コアラが毒性のあるユーカリの葉を好んで食べるのには、ほかの動物との食糧争いをなくすために進化し、毎日出来るだけ安全に生き延びるためだったということがわかりました。