可愛らしい外見のコアラですが、常食であるユーカリの葉を消化するのに適した盲腸は哺乳類最長と言われています。
今回はコアラの盲腸の働きや長さについて、まとめました。
盲腸の働きについて
人間にとっては、あまり重要とされていない盲腸。
ですが、コアラのような草食動物にとってはなくてはならない重要な器官です。
コアラだけでなく、牛や馬などの草食動物は、人間や肉食動物ではほとんど栄養が取れない干し草などから栄養を摂取しています。
それはひとつに盲腸の役割が大きく関係しているのです。
草食動物の盲腸はセルロースという草に含まれる成分を分解して、良質な栄養に変える事ができます。
その為、コアラもユーカリの葉に含まれる成分を盲腸で分解しているのです。
コアラの盲腸は哺乳類最大体長比!
コアラの盲腸は、哺乳類の中で最大の体長比を誇っています。
あの小さな体にも関わらず盲腸の長さは約2mもあり、それは体長の約13倍にも及びます。
コアラの腸全体の約20%を占めています。
陸上動物最大の象の盲腸の長さは3.5mありますが、その長さをもってしても、体長比は約8倍足らずで、コアラの体長比の60%しかありません。
さらに、コアラの盲腸は容量も大きく、約2Lもあります。
さらに、盲腸には無数のヒダがあり、容量を増やす役割を果たしています。
雑食である人間の盲腸は約5cmで、コアラの盲腸の長さは約20倍にも及びます。
数値を聞いただけでも相当な違いがあることが分かります。
では、なぜコアラの盲腸はこれほどまで長いのか。
これはユーカリの葉にあわせた働きをするために必要な長さなのです。
ユーカリの葉は繊維質で、胃などで消化しきれない分が多く、それらを盲腸で分解しなければなりません。
盲腸が短いと送り込める分が少なく、次のユーカリの葉を食べることや栄養を吸収することが間に合わなくなってしまうからです。
まとめ
多くの動物にとっては、有毒で食べることの出来ないユーカリの葉。
ですが、そのユーカリの葉を、コアラは盲腸の働きを利用して栄養として摂取しています。
人間にとっては重要視されていない盲腸も、コアラにとっては大切な身体の働きを担う器官なんですね。