コアラの体で特徴的なのはと聞かれたら、ふわふわしていそうな体毛や木登りするときに体を支える手足でしょうか。
それよりも目に付くのはきっとお腹の袋だと思います。
コアラの袋って正式にはなんていうのか知っていますか?
コアラの袋について考えてみることにしました。
袋の名前は?
コアラは有袋類です。
そのままですが、袋が有るという意味ですよね。
生まれた赤ちゃんは母乳を飲みますが、有袋類の出産には他の哺乳類とは違う点があります。
それは赤ちゃんを未熟な状態で産み、お母さんの袋の中で育てるということです。
牛や馬のように生まれてすぐに一人で立つことができる動物とは違い、コアラを含む有袋類の赤ちゃんは一人立ちできるまでお母さんの袋の中で成長します。
この袋の名前を育児嚢(いくじのう)と言います。
嚢とは袋と同じ意味を持っている漢字なので、何のための袋かすぐにわかるよう名付けられているのかと思ってしまいました。
コアラの袋があるのはメスだけ
育児嚢も名前のままですが、子育てをするためのものです。
なのでメスのコアラしか持っていません。
コアラの子育てはメスのみで行うからです。
育児嚢の中で母乳を与えて、徐々に外に出てくるようになり、赤ちゃんの体重が1キロくらいになったときには育児嚢の中には戻らなくなるそうです。
少し寂しい気もしますが育児嚢の役割はここで終わりとなります。
袋を持つ理由は
育児嚢という名前の袋を持っているコアラですが、なぜこのような袋を必要とするのか考えたことはありますか?
野生の動物にとって、未熟で生まれてくることはとても危険ですよね。
できればすぐにでも一人立ちできる大きさまでお腹の中で育ってくれたほうが安心だと思いませんか?
コアラの赤ちゃんはとても小さいですが、お母さんが胎内でちゃんと育てているにもかかわらず未熟児を生むのは育児嚢が関係しているのです。
育児嚢の役割は赤ちゃんを育てるためですが、それは外敵から守ったり授乳するためだけではないということを知っていましたか?
実は子宮や胎盤の代わりという役目も持っているのです。
人のような哺乳類は、子宮の中に胎盤を持っていて赤ちゃんを育てますが、有袋類は胎盤が無いので変わりに育児嚢がその役目をしているとのことです。
産道が狭いので未熟児でないと出産できないこと、出産してから子宮や胎盤である育児嚢で育てられることなど、人と同じ哺乳類でもあるコアラですが生態は全く違っているので同じ哺乳類に思えないくらいですよね。
まとめ
調べてみることで、コアラの袋の名前をはじめて知りました。
何のための袋なのかは漢字を見るとわかってしまいますよね。
体の構造や役割を知るために、正式名称を学ぶことも大切だと思うことができました。