そもそも指紋とは?
物を掴むときなど、滑り止めの役割をはたすものであり、指先にある神経の感覚を鋭敏にするものです。
私たちが手で持ったり、指先で触れたものの状態を判断出来るのは、指紋があるからこそなのです。
指紋は不変で、たとえ怪我などで指先の皮膚に損傷を受け指紋が消えたとしても、皮膚の再生と共に指紋は再現され、元通りになります。
そして、1人1人違う紋様を持ち、個人の特定に用いられます。
指紋を持つ動物
私たち人間は指紋があることは当たり前なので、多くの動物に指紋が存在すると思いがちですが、実は指紋を持つ動物は限られています。
多種の霊長類・北米に生息するイタチ科のフィッシャー・そしてコアラのみ、なのです。
なぜコアラに指紋があるのか?
物を掴んだり木に登ったりする生活の動物種が、独自に指紋が発達したと言われています。
霊長類の祖先と有袋類の祖先の進化が枝分かれしたのは約7000万年前。
その後、霊長類と有袋類は別々の進化を遂げました。
人類の祖先の霊超類とコアラの祖先の有袋類が、木登りをする生活をしていた為ではないかと推測する学者がいます。
コアラ以外の有袋類に指紋はありません。
コアラは独自に進化し、その生活様式から指紋ができあがったということになります。
人間やサルやチンパンジーなど、指紋を持つ霊長類もまた、コアラとは違った動物種でありながらその生活様式から指紋が出来上がったということです。
人間とコアラの指紋はそっくり?
別々の進化をしたはずの人間とコアラなのに、指紋が驚くほど似ています。
人間にある指紋の種類(弓状紋・蹄状紋・渦状紋など)がコアラにもあり、それは、電子顕微鏡で確認してもわからないほどだそうです。
犯罪捜査のエキスパートでも判別が困難らしく、完全犯罪にはコアラの手袋をすると良い!などという冗談も言われるほどです。
まとめ
進化の過程が違うのに、見分けがつかないほど似ている人間の指紋とコアラの指紋。
とても神秘的で、なんだかコアラを身近に感じます。
動物園でただ可愛いと見るだけのコアラですが、今度は近づいて指紋の観察をしてみるのも面白いのではないでしょうか?