コアラの住むユーカリで構成された森林の住環境は、現在ではオーストラリアの東部の限られた地域にのみ生息していますが、熱帯雨林や湿林のユーカリの森に住んでいます。
その中で、個体それぞれが自分の好みのユーカリの木がある森林で生活しています。
コアラが木に住むようになった理由は?
まずは天敵から逃げるためです。
コアラの天敵は大型の猛禽類(ワシやフクロウ)や蛇、キツネや犬などです。
現代においては車による交通事故も多くなっているそうです。
木の上に居れば、地上に降り立った時よりもはるかに安全でいられます。
木を移る時やオスが独り立ちをする時、非常時などは素早く動いて移動しますが、やはり地上は危険です。
次に、暑さをしのぐためです。
ユーカリの木の表面は気温より低く、体をくっつけて体温を下げます。
猛暑になると食用ではない他の木に移る場合もあるそうです。
アカシアの木などは、ユーカリの木に比べ5~7度ほど表面温度が低いそうです。
水を飲まないことで有名なコアラですが、通常はユーカリの葉に含まれる水分を取っていますが、猛暑になると水を飲むそうです。
そして、もちろん食ベるためです。
コアラの食料であるユーカリには毒素があり、ほかの動物は食べません。
したがって、競争相手がおらず無くなる心配がありません。
ちなみに、ユーカリの毒素を分解できるコアラですが、腸内のバクテリアによって分解・消化されます。
このバクテリアは、母親から子へと受け継がれるものなので、母親が食べない種類のユーカリは、子もまた食べられず消化することができません。
まとめ
森林伐採や土地開発により住環境は悪化しました。
更に地球温暖化の影響もあって、コアラの住むユーカリの森も安穏と住めなくなっているようです。
気温が上がり猛暑となれば、ストレスとなり繁殖活動にも影響が出てきます。
コアラの天敵は時代とともに、大型動物→人間→地球環境と変化しています。
いつの日かコアラが平和に暮らせるようになればと願います。