コアラの歴史と飼育の実態についてまとめてみました。

コアラ ユーカリ以外 飼育

コアラの生い立ち

コアラは人類がオーストラリアに入植して以来、絶滅寸前までその個体数を激減させ、ここ数年でも気候変動や都市開発の煽りを受けてさらにその数を大きく減らしました。

そうしたコアラの危機的状況を鑑みて、オーストラリア国内でも絶滅危惧種に指定して統一的にその保護を推進していこうという機運が高まってきています。

もちろん、保護区域などを指定して自然のままコアラの生息域を管理するのが最善の対策なのですが、ここ数年におけるコアラの個体数の衰退ペースを考慮すると、飼育による保護も次善策として重要になるでしょう。

コアラの飼育

まず飼育において重要になってくるのが食料の確保です。

コアラがユーカリの葉をその栄養源とするのはよく知られていますが、そのユーカリを栽培して、かつコアラの食用に準備するまでが大変な時間的・経済的コストが掛かり、一筋縄ではいきません。

ユーカリの葉を食べるとは言え、数百種類あるユーカリの中でコアラが好んで食べるのは、僅か40種類前後であり、さらに個体ごとに食用として受け付けるユーカリもそれぞれ異なります。

また少しでも気に入らない状況になると、すぐに食べるのを止めてしまいます。

それ故、硬くて食べにくい古い葉は徹底して削ぎ落とし、食べるのに邪魔となる枝も全て剪定して、好みの若葉を食べ易い状態に揃えておきます。

ユーカリをコアラにとって食べ易い状態にし、さらに個体ごとに好みのユーカリを揃える作業を人の手でやる訳なので、相当な労力とコストが掛かる訳です。

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コアラはユーカリ以外も食べるのか

コアラの食料をユーカリ以外で代用できれば、その飼育もかなりの手間が省けるのですが、残念ながら、ユーカリ以外は手を付けてくれないそうです。

かつてはリンゴやバナナなどユーカリ以外で飼育できたという記録も残っているそうですが、それが事実だったとしても、今のコアラの偏食ぶりを考えれば、一握りの例外的記録と見なすべきで参考にはならないでしょう。

まとめ

コアラの飼育の難点は食料の確保の他に、その扱い方も繊細な注意が必要です。

ストレスに大変弱く、少しの環境変化でも命を落とす場合があります。

従って、コアラの専門的な熟練飼育員を拡充していく事が、現在ではコアラの保護における最善策と言えるでしょう。

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