コアラが常食としているユーカリの葉は繊維質で、油分も多く、有毒として知られています。

では、どのようにしてコアラはユーカリの葉を体内で分解しているのかをまとめました。

コアラ ユーカリの葉 分解

コアラの体質について

ユーカリの葉は非常に繊維質が多く、栄養価の低い葉で、大部分の動物にとっては有毒です。

そのような植物を常食とするコアラには、特別な体質が備わっています。

新陳代謝が悪いため、摂取した食べ物を消化器官に比較的長い時間留め、使用できるエネルギーの総量をいつも最大限に保持しています。

また、この新陳代謝の悪さのおかげで、エネルギーの必要量を最小限に抑えることができます。

このため、コアラの体質はユーカリの葉を摂取することに適しているのです。

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ユーカリの葉を分解するためのさまざまな働きについて

コアラは1 日約200~500gのユーカリの葉を食べます。

鋭くとがった門歯(前歯)は、ユーカリの葉を木からもぎ取るのに便利で、奥歯や臼歯はかみつぶすためはなく、切り刻むのに適した形をしています。

門歯と臼歯間には隙間があり、口の中に溜まったユーカリの葉を舌で集め、一塊にして飲み込みやすいようになっています。

コアラの消化系器官には、バクテリアが共棲しています。

そのバクテリアの力を借りて、ユーカリの葉に含まれる毒性の成分を解毒することが出来るのです。

ユーカリの葉が有毒であるのは、昆虫のように葉を食べる動物から身を守るためと考えられています。

コアラは、盲腸と呼ばれる繊維質を消化する特別な器官を持っています。

人間にも盲腸はありますが、コアラの盲腸はとても長く2 メートルにも及びます。

この盲腸には繊維質を分解し、体内に吸収しやすい他の物質に代える細菌が何百万も存在しています。

しかし、この細菌の力を借りてもコアラは摂取した繊維質のわずか25%しか体内に吸収することができません。

また、コアラは必要な水分をユーカリの葉から摂取できるため、日照り続きで葉に含まれる水分が減った時などの場合を除いては、ほとんど水を口にしません。

まとめ

常食であるユーカリの葉を食べる為に、コアラの身体の中ではさまざまな器官で解毒や分解、吸収、消化が行われています。

同じ哺乳類でも食べるものや生きる環境が違うと、体内の構造もかなり異なることが分かりましたね。

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